「民衆を導く自由の女神」を描いた、19世紀を代表するフランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワ。
ドラクロワが生前最後に住んでいた、サン・ジェルマン・デプレのアパルトマンは現在、『ドラクロワ美術館』として一般向けに公開されています。
この美術館では、名画のデッサンも見ることができるため、ルーブル美術館やサン・シュルピス教会でドラクロワの作品を見てから足を運ぶと、より深く楽しめますよ。
- ドラクロワ美術館の基本情報
- ドラクロワ美術館のアクセス
- ドラクロワ美術館のみどころと実際の様子
ドラクロワ美術館について
ドラクロワが晩年、亡くなるまでの7年間(1857〜1863年)を過ごした自宅兼アトリエがドラクロワ美術館として公開されています。
彼は1847年から、サン・シュルピス教会の壁画の仕事を任されていたため、教会に近いこのアパルトマンで生活していました。
ドラクロワの死後、住人が何度か入れ替わり、アトリエの解体も計画されましたが、名だたる芸術家たちが集結した「ドラクロワ友の会」によって存続が守られた背景があります。
現在はルーブル美術館の付属機関という関係上、ルーブルの見学から48時間以内であれば無料で入場することができますよ。
アクセス
地下鉄(メトロ)
メトロ4号線 サン・ジェルマン・デプレ(Saint-Germain-des-Prés)駅から徒歩3分
メトロ10号線 オデオン(Odéon)駅から徒歩3分
住所
6 Rue de Furstemberg, 75006 Paris
サン・ジェルマン・デプレ教会前には、ドラクロワ美術館の案内看板があります。
その案内に沿って行けば問題なくたどり着けますが、美術館の周りは閑静なブティックショップが並んでおり、入り口が少々わかりにくいのが難点です。
フュルストンベル通り(Rue de Furstemberg)の円形道路の角に位置しています。
開館時間
9:30〜17:30
休館日
火曜日(ルーブル美術館と同じ)
入場料
大人:7ユーロ
- 18歳未満
- パリミュージアムパスの購入者
- ルーブル美術館の入場から48時間の人
- ルーブル美術館友の会会員(年パス保有者)
- 毎月第1日曜日と7月14日は全ての人が無料入場可
写真撮影
館内での写真撮影は可能です。
ただしフラッシュの使用は禁止されています。
ドラクロワ美術館の見どころとレポ
ここでは私が、ドラクロワ美術館に行ってきたときの様子をレポートします。
合わせて見どころもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
美術館の門をくぐり、建物の上を見上げると、ここにドラクロワが住んでいたことを証明するプレートが貼ってあります。
入ってすぐ左手には、ドラクロワ美術館の日本語の小冊子もありましたよ。
2階へ上がると、ドラクロワが生活していた住居スペースを見学できます。
書斎、サロン、食堂が公開されていますが、そこでは当時ドラクロワが使用していたパレットやデッサン画、ドラクロワにゆかりある人たちの絵画が展示されています。
実際に使われていたパレット。これすら芸術作品に思える彩り。
この住居フロアの見どころはなんといっても、「民衆を導く自由の女神」のデッサン画!
名画のデッサンをこんなにも間近で見られるのはとても貴重な機会です。
完成されたこの作品は、現在ルーブル美術館に展示されていますので、それをじっくりと見てからここに来ると、より楽しめますね。
『民衆を導く自由の女神』についての詳細は【年パス購入者おすすめ】ルーブル美術館の効率的な回り方【初めての人必見】をご覧ください。
またここでは、ドラクロワから影響を受けたピカソの作品も展示されています。
なんとピカソはドラクロワの作風を研究するために、約10年ルーブル美術館に通ったんだとか!
アトリエスペースへは、外の階段を降りて向かいます。
宮殿や教会の天井画(壁画)を描いてきたドラクロワの天使のデッサンを見ることができます。
鉛筆でさらりと描かれているのに、天使の表情が大人びているのがよく伝わるのがとても印象的でした。
歴史画や宗教画のイメージが強いドラクロワですが、ちょっと意外な手法の絵画も見ることができ、彼の幅広い作風を楽しめるスペースです。
アトリエを出て、階段を降りると中庭があります。
街中とは思えない静かな場所で、ドラクロワ自身が気に入っていたのもよくわかります。
腰をかけるベンチもあり、私が行った時にも、ここで読書を楽しまれているマダムがいました。
ドラクロワ美術館のまとめ
大きな美術館ではありませんが、デッサン画や小物などを通じて、ドワクロワがどのように作品と向き合ってきたかがよくわかる場所でした。
ぜひここに来る前に、ルーブル美術館とサン・シュルピス教会で彼の作品を見てから来るとより楽しめますよ。
(どちらもドラクトワ美術館から歩いて10分のところにあります。)