スコットランドの歴史をはじめ、自然や科学、世界の文化など幅広い分野を体感できるスコットランド国立博物館。
迫力ある恐竜の化石や生物の進化コーナーは大人はもちろん、子どもたちにも大人気の見学スポットです。
特に、ここの博物館に来たら『世界初のクローン羊・ドリー』のはく製は必見。
- スコットランド国立博物館の基本情報やアクセス
- スコットランド国立博物館の無料ツアー
- スコットランド国立博物館で絶対に押さえておきたい見どころ
実際に訪れて分かったスコットランド国立博物館の情報を詳しくご紹介します。
目次
スコットランド国立博物館について
スコットランド国立博物館の前身であるスコットランド考古協会の設立は1780年。
1985年にスコットランド国立考古学博物館と合併した際に、スコットランドの歴史や民族関連の収蔵物が数多く引き渡され、スコットランド関連のものだけで約2万点の収蔵品があるといわれています。
アクセス
バスを利用する場合、博物館前のChambers Street(チェンバーズストリート)にあるバス停『National Museum of Scotland(スコットランド国立博物館)』を利用するのが便利です。
また、George IV Bridge(ジョージ4世橋)通り沿いにあるバス停『Chambers Street(チェンバースストリート)』からも徒歩2分です。
市内中心部からも歩いてこられる場所にあり、例えばプリンセスストリートにあるスコット記念塔からは徒歩15分です。
住所
Chambers St, Edinburgh EH1 1JF
開館時間
10:00〜17:00(1/1と12/26は12:00〜17:00)
休館日
12/25
入場料
無料 ※特別展は有料になることもある
所要時間
スコットランド国立博物館には世界各国の展示物があるため、どのように見学するかによって所要時間は変わってきます。
この記事でご紹介する絶対に押さえておきたい見どころを回るなら1時間が目安。
博物館全体をみて回るなら3時間くらい、じっくりと見て回りたい方は丸1日かかります。
写真撮影について
博物館内での写真撮影は可能です。
三脚や照明などを使用したい場合には、インフォメーションデスクでの申請が必要です。
スコットランド国立博物館の無料ツアー
スコットランド国立博物館では、無料ガイド付きツアーが毎日開催されています。
所要時間は約1時間。
希望の方はスタート時間前に0階入り口ホールに集合すれば参加できます。
- 11:00〜スコットランド国立博物館発見ツアー
- 13:00〜スコットランド・ギャラリー・ハイライト
- 15:00〜テーマ別ツアー(内容は毎日変わりますので、詳細は博物館インフォメーションでお確かめください)
スコットランド国立博物館の展示コーナー一覧
スコットランド国立博物館は2つの建物が隣接しており、内部で繫がっています。
東側は主に、自然史や科学技術、世界各国の文化紹介、生物の進化について。
西側はスコットランドの歴史が年代順に紹介されていて、歴史や文化、暮らしぶりから、国宝、美術品、発掘品など2万点が展示されています。
Discoveries:スコットランドの偉大な業績、スコットランド人が 世界に与えた影響がわかるコーナー
Natural World:宇宙から絶滅寸前の種まで、地球と自然界の多様性や進化が学べるコーナー(子どもにも人気)
World Cultures:美術や音楽、パフォーマンスを通じて、人々がどのように生活を営んでいるのかが展示されているコーナー
Art, Design and Fashion:ファッション史を通じて、精巧なデザインの服飾から最先端のものまでを一覧できるコーナー
Science and Technology:スコットランドや世界を変えた科学的発見や技術の進歩を学べるコーナー(子どもにも人気)
Scotland:スコットランドの歴史を地質学的な時代から現在に至るまでを紹介しているコーナー
スコットランド国立博物館のみどころレポ
ここでは、スコットランド国立博物館の数ある展示の中から、実際に足を運びこれだけは見逃せないと思った展示品をご紹介します。
入場口
博物館正面(Chambers Streetに面している)入り口から入場すると、日本語のパンフレットが頂けます(寄付金の目安は1ポンド)。
館内の見取り図や、博物館おすすめ見どころ作品の場所などがわかりやすく説明されているため、手元に置いておくことをおすすめします。
1階
- 羊のドリー(Explore)
- ルイス島のチェス駒(Kingdom of the Scots)
- アイヌ文化コーナー(Living Lands)
- ティラノサウルス・レックスの化石(Animal World)
博物館の展示品を見るには、0階の入り口から1つ上へあがります。
この博物館に来て、最初に見るべきものは『世界初のクローン羊・ドリー』のはく製です。
私も入場してまずは、ドリーのいる展示室まで一直線で向かいました。
1996年に世界初の哺乳類クローンとして誕生したのが、この羊のドリーです。
誕生当時は世界中で話題になりましたね!
スコットランドの研究所で生まれ育ちましたが、若くして病気にかかったため、2003年(ドリー6歳)に安楽死。
その後はスコットランド国立博物館に展示されています。
写真だと静止した状態に見えますが、実際にはドリーはくるくると回っていました。
羊のドリーからさらに博物館内を奥に進むと『ルイス島のチェス駒』があります。
1831年にスコットランド北西部のルイス島で発見されたチェス駒。
発見された78個のうち11個がスコットランド国立博物館で展示されています。(残りは大英博物館に。)
12世紀頃に作られたと推定されていて、2019年6月(つい最近!)にも新たに1個が発見されました。
中世のものとしては珍しく全ての駒が揃っています。
今度は1階の反対側のフロアーに向かいます。
世界の民族コーナーでは、「日本のアイヌ文化」が紹介されていました。
世界中には様々な文様がありますが、その中でもアイヌ文様はシンプルながらひときわ美しいと思うのは、私が道産子だからでしょうか!?
スコットランド博物館ではアイヌ文化のことを、以下のように説明しています。
『人間に多くの恵みをもたらしてくれたり、人間がかなわないような強大な力を持つものを、神(カムイ)として敬っていた。アイヌの人々の生き方は変わったが、神へ抱く尊敬は今もアイヌ文化の強い特徴のままである。』
そのまま奥へ進んでいくと、子どもも大人もびっくりのAnimal Worldへ。
子どもはもちろん、大人も思わず興奮するコーナーです。
その中でもひときわ目を引くのが、この『ティラノサウルス・レックスの化石』。
頭だけをみても大迫力ですが、全長は約20メートル!
スコットランドは恐竜と大変縁深い国で、スカイ島では世界最大級の恐竜の足跡も発見されています。
3階
- ピカソの山羊(Making and Creating)
「これ何?」とつい口にしてしまいたくなるようなこの展示品は、あの天才ピカソの作品。
実はピカソは絵画だけではなく、彫刻や陶器なども制作していて、『最も多作な美術家』としてギネスに認定までされています。
ピカソは晩年、南フランスで山羊を飼って暮らしていたこともあり、絵画や彫刻など山羊に関する作品を数多く生み出していました。
5階
- 日本文化のコーナー(Exploring East Asia)
- 王室に仕えたカーヌムホテップの棺(Ancient Egypt)
5階には東アジアを紹介している展示室があり、もちろん『日本の文化コーナー』もその一角に。
「ここまで来て日本に触れるの?」と思うかもしれませんが、外国人の視点で紹介される日本文化もまた興味深いものです。
日本の小物として、櫛(くし)やタバコ、印籠、根付けなどが展示されていました。
そして日本といえば、SAMURAI。甲冑ももちろん展示室の真ん中に威風堂々と。
流鏑馬(やぶさめ)の道具一式も展示されています。
流鏑馬は海外からもクールで美しい文化として評判なんだとか!
木版画には歌舞伎の市川團十郎や市川海老蔵らが描かれています。
海老蔵といえば、アメブロで拝見することが多かったのですが、まさかスコットランドで会えるとは思ってもいませんでした …笑。
隣の展示室では『王室に仕えたカーヌムホテップの棺」を見ることができます。
古代エジブト人の棺で、紀元前1940年から1760年頃のものをいわれています。
この棺に眠っているカーヌムホテップ自身の豊富な財力をもって、「永遠に生きる神の存在」をテーマに装飾されました。
タワー・レストラン
5階にあるTower Restaurant(タワー・レストラン)では、スコットランド料理やアフタヌーンティーを堪能することができます。
エジンバラ城が見えることもあり、大変人気のレストランです。
博物館に入っているレストランだから…と侮るなかれ。
ショーン・コネリーも通うほどの一流レストランで、トリップアドバイザーの口コミをみても、料理がとても高く評価されています。
スコットランド国立博物館まとめ
スコットランドの歴史から、自然科学、人類学、芸術と幅広い収蔵品が展示されています。
見るだけでも大変面白いものばかりですが、説明がどれも英語ですので、スコットランドの歴史などを少しだけでも予習していくとより楽しめるのではないかと思います。
(これは私の後悔でもあります…。)
1日かけて見て回ってもよし。時間が限られている方は1時間の無料ツアーに参加してもいいかもしれませんね。
ぜひエジンバラに来た際には、足を運んでみてくださいね。
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