5月28日にフィリップ首相をはじめとする政府関係者から、6月2日以降のフランスにおける規制緩和措置に関する発表がありました。6月2日から21日までは規制緩和の第2フェーズと位置付けられます。
そして6月14日にはマクロン大統領によるテレビ演説が行われ、6月15日以降の規制緩和に関する発表がありました。
さらに、7月1日より一部の欧州域外諸国からのフランス入国が許可されました。
この記事では、7月3日現在のフランスのコロナに対する規制緩和などをまとめています。
フランス国内の現状
程度は異なるものの、フランス全土で依然としてウイルスは流行中。しかし感染拡大速度は抑制できており、当初の目標よりも良い状況とのことです。
警戒は維持すべきであり、病院の受入能力は引き続き圧迫されています。
ゾーンの分類
現在フランス国内は、注意危険度をオレンジと緑の2つのゾーンに色分けされています。
特別な注意が必要なオレンジゾーンに分類されているのは、イル=ド=フランス地域圏、ギュイアンヌ(仏領ギアナ)、マイヨット。
そのほかは緑ゾーンです。
(緑ゾーンではウイルスがいなくなったということではありません。)
6月21日までの第2フェーズでは、オレンジゾーンでは他の地域よりもより慎重な対応が進められます。
※追記(2020.06.14)
6月15日より、マイヨヌ(マイヨット)とギアナを除き、フランス全土が「状況良好」を意味する緑ゾーンになることが発表されました。
【マクロン大統領テレビ演説】パリでもカフェの室内利用が可能に【新型コロナ】
カフェ・レストラン・バー
カフェ・レストラン・バーは6月2日から営業が再開されます。
ただし、オレンジゾーンではテラスのみ営業が可能。
※追記(2020.06.14)
6月15日より、パリを含むイル=ド=フランス地域圏でも、室内利用が可能になります。
【マクロン大統領テレビ演説】パリでもカフェの室内利用が可能に【新型コロナ】
予防措置の実施が条件であり、1テーブルあたり10人まで、テーブルの感覚は1m以上、従業員および客の移動時のマスク着用が義務づけられます。
バーについては、立ち飲みは禁止です。
観光宿泊施設
6月2日以降、緑ゾーンで観光宿泊施設が再開。ただしオレンジゾーンでは6月22日以降となります。
移動
フランス国内
自宅から100km以内の制限が廃止されます。
ただし各自の責任において、不要な長距離移動は延期することが推奨されています。
イル=ド=フランス地域圏における公共交通期間に関する制限(ピーク時の証明書の携帯等)の緩和に関しては、近いうちに協議はされるものの、現時点では変更はありません。
※追記(2020.06.16)
6月16日より、ピーク時に必携だった証明書は「不要」になりました。しかし引き続き、マスクの着用は義務付けられています。
ヨーロッパ域内
ヨーロッパ内での移動は、欧州レベルで調整の上決定されます。フランスは6月15日以降のヨーロッパ域内の国境制限解除には賛成の姿勢。
欧州からのフランス入国者には、入国時14日間の隔離は課されません。ただし、先方の国がフランスからの入国者に隔離措置を要求している場合は相互主義に基づき、フランスでも同様の措置が実施されます。
※追記(2020.06.13)
6月15日より、欧州内の移動可能になります。
ヨーロッパ外
ヨーロッパ外との国境についても、6月15日以降を見越して欧州レベルで調整を進めていきます。
※追記(2020.06.13)
7月1日より、状況からの判断により段階的にヨーロッパ外への移動が可能になります。
各国からの受け入れ
7月1日からEUが、日本を含む一部の国の観光客や出張者を受け入れる方向で調整。
6月27日の段階で受け入れリストにある国は、日本、アルジェリア、オーストラリア、カナダ、ジョージア、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、ルワンダ、セルビア、韓国、タイ、チュニジア、ウルグアイ。
※追記(2020.07.03)
7月1日から下記の欧州域外13か国からのフランス入国が可能になりました。
オーストラリア、カナダ、韓国、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、ルワンダ、セルビア、タイ、チュニジア、ウルグアイ。
これらからの入国者については、「国際移動適用除外証明書」および「新型コロナウィルスの症状がない旨の宣言書」の携行と14日間の自主隔離が不要になります。
社会的・文化的生活
今週末(5月30日)から全土で公園が再開されます(ただしマスクの着用が必要)。
ビーチ、博物館、歴史的建造物等の営業は6月2日以降に全土で再開。美術館も同様です。
緑のゾーンでは、プール、ジム、レジャーパーク、劇場の営業再開が6月2日から。オレンジゾーンは6月22日以降となります。
映画館は全土で6月22日以降に再開。
野外での人数は5000人以下に制限。
少なくとも6月21日までは、公共の場での10人以上の周回、集団スポーツは禁止されます。ディスコ、スタジアム、競馬場は閉鎖。
※追記(2020.06.22)
6月22日から接触のないチームスポーツが再開。休暇施設が全面的に再開。
7月11日からはスポーツスタジアムと競技場がオープン。ただし観客は5000人以下。1500人以上を集客する場合は、当局の許可が必要。
リバークルーズが再開。
5000人以上の集会は9月1日まで禁止されているが、状況によっては8月半ばから許可される可能性。判断あ8月初旬に行われる保健状況の再査定。
9月からディズコ、ナイトクラブの再開。
プロサッカー(9月5日:スウェーデンーフランス戦)、ラグビーの試合再開。
参照:EQUIPE DE FRANCE : LE PROGRAMME DES MATCHS DES BLEUS
海洋クルーズの再開。
教育
小学校については緑ゾーンを中心に82.5%が既に再開されています。
6月2日以降は、全土で全ての小学校を再開。ただし、1クラスあたり最大15人。
並行して課外活動(Sport Sante Culture Civisme)プログラムが用意されます。
中学校については、既に95.5%が再開されています。全学生のうち28%が通学。
6月2日以降は、全土で全ての中学校を再開。
緑ゾーンでは全てのクラスを。オレンジゾーンでは当面、1年生(6eme)および2年生(5eme)のみ。
課外活動はあり。
高校については、緑のゾーンでは総合高校、工業高校、職業高校について一部再開。
オレンジゾーンでは、証明書(certification)が必要な学生のために、職業高校が優先的に再開されます。
バカロレアの口頭試験は中止されます。
※追記(2020.06.14)
6月22日から保育園・小学校・中学校に全員の通学ができるよう準備されます。
【マクロン大統領テレビ演説】パリでもカフェの室内利用が可能に【新型コロナ】
※追記(2020.06.22)
6月22日から小学校と中学校の登校が義務化。
9月から新学年が開始。登校は義務。
海外領土
海外領土への移動に際しては、到着時の14日間の隔離(quatorzaine)を実施。
隔離7日後に検査を行い、陰性であれば緩和するなどの新たな隔離のあり方について実験が行われます。
オレンジゾーンに分類されているマイヨットとギアナでは引き続き警戒が必要。
アプリ
補完的なツールとしてStopCovidアプリケーションが開発されます。
患者と1m以内で15分以上接触した可能性がある場合に通知がくる仕組みです。
個人情報やプライバシーは保護され、GPSは使用せず、データは匿名化。データの保存期間は限定されます。
6月2日から任意で無料ダウンロードが可能。