知識ゼロから勉強した30代の主婦が、2018年秋季の仏検で4級満点合格をすることができました。
その際に使用いていたメインのテキストは「仏検合格のための4級傾向と対策」というもの。
フランス語超初学者でしたが、このテキストを徹底的にやりこむことで、4級に必要な文法知識と単語力をぐんと伸ばせたように思います。
そこで今回は、このテキストのレビューと使い方をご紹介します。
ただ、満点合格を目指す場合は、このテキストに加えもう1冊テキストを使用しましたので、気になる方はこちらも合わせてご覧ください。
仏検合格のための傾向と対策4級とは
書店にいくと、フランス語検定対策本はいろんな出版社から出されており、私もどれにしようかと迷った1人です。
私がこのテキストを選んだ理由は、文法解説や解答解説がとても丁寧だったこと。
のちほど詳しくお話しますが、やはり独学で勉強するにおいて、解説が丁寧というのは大きな決め手になります。
- ページ数:281ページ
- 章(単元):筆記問題8章、聞き取り問題4章、模擬試験3回分
- 付属CDあり
過去問はついていませんが、実際の試験問題の形式にそって問題を解き進められるため、知識がつくのと同時に、試験の雰囲気に触れることも十分にできました。
実際に使ってみた感想
よかった点①:文法の基礎がしっかり身につく
このテキストは1章ごとに、例題→文法解説→練習問題と構成されています。
文法解説のページがなんといってもこのテキストの大きな魅力です。
テキストの3分の1を占めているのでは思うほど、それぞれの文法ポイントを丁寧に説明してくれていて、かつ試験に必要なポイントを要点よくおさえてくれています。
正直、知識ゼロの段階でこのテキストを読むと難しく感じるかもしれませんが、基礎を叩き込んだ上で取り組むことで、復習をしながらしっかり知識が定着することを実感しました。
よかった点②:解答解説が丁寧
文法解説と同様に、こういった対策本でもっとも大切なのが解答解説の丁寧さだと思います。
書店に並んでいる対策テキストの中には、問題数は多いけれども解答のみしかないというもののあり、そうしたテキストはよほど知識があるか、誰かに教えてもらえる環境でなければ使いこなせません。
私のように独学の方にこそ、どうして答えがそうなるのかをしっかり教えてくれる丁寧な対策テキストが必要です。
文法解説からの練習問題で、しかも解答解説がわかりやすいため、このテキストを使っていて「答えの意味が全くわからない!」という経験はありませんでした。
よかった点③:語彙力が身につく
要所要所に、名詞や動詞、前置詞などがまとめられています。
また、練習問題でも熟語が使われており、その解説も解答でしっかりしてくれています。
問題を解きながら覚えられるのはもちろんのこと、4級に合格するために必要な単語をしっかりと明記してくれているので、要領よく覚えられるのが魅力です。
私の場合、前置詞と形容詞に不安があったのですが、3周終わることにはしっかりとインプットできていました。
よかった点④:数詞対策がしっかりできる
4級対策の勉強をしていると、意外と難しいのが数詞(数字)ではないでしょうか。
16までの不規則な単語の暗記、70以降のフランス語独特の数字の言い回しには正直私も初めは戸惑いました。
これらは聞き取り対策としてテキストに取り上げられています。
数字そのものは覚えるしかありませんが、単位をつけたときに消えてしまう音などもしっかり教えてくれているので、試験のみならず、実生活でも役立つポイントも抑えてくれていました。
よかった点⑤:模擬試験が3回分ある
過去問はついてはいませんが、その分模擬試験が3回分ついていたので、試験対策としては十分だと思いました。
テキスト自体、難易度は検定よりも高めですが、模擬試験も7割が取れれば自信を持っていい作りになっています。
私の場合、1周目の終わりに模擬試験1、試験の前日に模擬試験2に取り組みました。
3級と併願していたため、最終的に時間が足りず模擬試験3は取り組めませんでしたが、2回分でもしっかり復習をすると十分にやりごたえを感じました。
使いにくかった点①:デザイン的に読みにくい
これは本のデザイン的なお話なのですが、解説ページは文字が詰まっていて少々読みにくいと感じました。
典型的な「古き良き参考書」をイメージしていただけたらと思います。
そこに書き込みなどをするとかなり汚くなりますが、その反面、勉強をしっかりした感じも味わえ、このあたりは好みかもしれません。
やさしいテキストからこのテキストにくると、急に勉強感が強まるかと思います。
使いにくかった点②:リスニングが速い
これを使いにくいという表現が適切なのか自分でも迷ったのですが、リスニングのCDは速いです。
この速いCDで慣れておくと、本番の試験がかなりゆっくり感じられますからむしろ力がつくということでプラスの評価にすることも可能です。
ただ4級対策に取り組む前に、あまりリスニングのCDを聞いてこなかった方にとっては、長文のリスニングになると、途中から思考が停止してしまう可能性も無きにしもあらずです。
私はそれなりにリスニングも勉強してから対策本に取り組みましたが、聞き取りの練習問題や模擬試験では、何を言っているのかわからないという箇所が多々ありました。
CDが付いている基礎テキストを経てから取り組むことを強くおすすめします。
4級合格のための使い方とスケジュール
このテキストを検定までに3周まわしました。
以下、私の使い方とスケジュールをご紹介します。
1周目:10月15日〜19日(5日間)
10/15 | 10/16 | 10/17 | 10/18 | 10/19 |
1〜3-② | 3-③〜4 | 5〜6 | 7〜8、聞き取り1 | 聞き取り2〜4、模擬1 |
上が日にち、下が進めた章(①などはテキストでいう四角1のことです)
4級は答えが選択式なので、このテキストの問題も、①②と数字で答えを選ぶ形式になっていますが、私は問題から答えまで全てノートに書きました。
数字を選ぶほうがとても楽ですし、時間も短縮できますが、全てを書き写すほうが圧倒的に理解力は高まり、記憶の定着率も上がるからです。
フランス語文はノートに書きましたが、文法解説のところは頭にいれたい部分のみノートに殴り書きをし、それ以外はいろいろ線を引いたりどんどんと汚くしていきました。
辞書や参考書で調べたことをそのまま書き込んだりすることで、この1冊をみれば自分の疑問が解けるという本にしたかったからです。
1周目は知らない単語がたくさん登場してきて、はっきりいって心が折れかけましたが、3周前提で勉強をしていたため、完璧に頭にいれるというよりは前に進むのを優先。
同じ単語が何回かでてくるので、少しずつ見覚えのあるものが増えてきます。
形容詞と前置詞をいまいち覚えきれていなかった私は、「絵を使っての内容一致」を解く際には、選択肢の問題文も全てノートに書いていました。
ここの設問では形容詞や前置詞が、他に比べて多く出てくるからです。
また4級になると登場する数詞(数字)にも最初は頭が混乱しました。
例えば72はフランス語で、60+12という言い方をするからです。
ただ見方を変えれば、60まで覚えられればあとはなんとかなるので、数字が一覧で載っているページをコピーしてトイレの壁に貼り、目に入るたびに声に出して読んでいました。
リスニングは実際の試験よりもとても速いスピードで読まれますが、これに慣れておけば試験ではまず困らないと思います。
ただ問題を解くだけではなく、答え合わせをする際に全文を書くこと、ディクテーションも一緒にしていました。
模擬試験1は1周目を終えた時点で9割を獲得。
2周目:10月19日〜22日(4日間)
10/19 | 10/20 | 10/21 | 10/22 |
1〜3 | 4-①〜4-⑧ | 4-⑨〜7-⑦ | 7-⑧〜聞き取り4 |
2週目になると、ところどころ記憶で問題が解けたりして、スムーズに進みました。
ただ、リスニングは2周目でも難しく、何をいっているのかよくわからないレベル。
このテキストのリスニングに慣れておけば、スピードだけでいうと3級も大丈夫です。
私はこの時点で3級も勉強するつもりだったので、ハイペースで進めていますが、4級のみの方はここはゆっくり進めても問題ないと思います。
3周目:11月2日〜11月7日(6日間)
11/2 | 11/3 | 11/4 |
1〜2 | 3 | 4 |
11/5 | 11/6 | 11/7 |
5〜6 | 7 | 8〜聞き取り4 |
2周目のあとに仏検3級対策のテキストをしていたため、間があきました。
1つ上のレベルのテキストをしていたことや、3周目となると見覚えのある問題ばかりということもあり、スムーズに進めることができました。
1周目には「なにこれ?」というような単語も、この頃には見たらわかるレベルまでに。
ただ完璧にかけるかと言われれば、かけないものも多々ありましたが、かけることよりも知っている単語(見覚えのある単語)が多いほうが試験には有利だと思っているので、かけない単語を10個書くよりも、どんどんいろんな単語を目にいれるを優先していました。
3周を終え、試験2日前に模擬試験2を解いて見たところ、94点を獲得できました。
この模擬試験は過去問よりも難しくできているので7割取れれば、自信をもっていいと思います。
模擬試験3は解きませんでした。
まとめ
4級対策のメインテキストとしてこれを使うことで、4級に合格できただけでなく、フランス語の基礎力もまたぐんと伸びたように思いました。
ただ問題を解いていただけではなく、理屈で理解することがこのテキストではできたからです。
大人になってからの独学は、やみくもに単語を頭にいれたり、問題をひたすら解いていくだけでは理解度の限界を迎えます。
「なぜそうなるのか」という根本的な疑問を解決してこそ、そこから応用に繋がり、そして実生活の中でもフランス語を楽しめるのではないでしょうか。
そういう意味でもこのテキストは仏検対策のためだけではなく、基礎を育む初級テキストとして取り組む価値は十分にあるように感じました。
基礎が少し不安な方におすすめ
また、「独学だけでは不安だ」という方は、やはり誰かに教えてもらうというのが上達の近道のように思います。
自分にあった教材に巡りあえたらラッキーですが、そこを間違うと回り道や挫折に繋がることが十分に考えられるからです。
ただ、フランス語教室というのは、英会話教室のようにたくさんあるわけではないし、なかなか通いにくいのも事実。
そういった方におすすめなのが、フランス語ビデオ講座です。
同じ説明でも、文章を読むよりも、動画で誰かが説明してくれたほうが理解度が上がるということはありませんか?
言語学習は基礎が大切であり、最終的に音として伝えるためには正確な音を知る必要があります。
一週間《無料で視聴》できるフランス語ビデオなどもありますから、動画や音でフランス語の基礎をしっかり学びたい方はぜひ無料動画も見てみてくださいね。