インスタグラムでフランス語勉強アカウントの方をみていると、初学者のかなりの方が持っていたのが「フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!」でした。
私も流行りにのろうと書店へ行き、このテキストを一読して即購入。
今回は実際にこのテキストを使ってみた感想(レビュー)と私の使い方をご紹介します。
- フランス語の入門テキストを探している
- 難しい文法用語のない参考書を探している
という方にはとくにおすすめです。
「フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!」とは
amazonではフランス語学習本で常にベストセラー1位に君臨し続けており、フランス語初学者の間では知らない人はいないほどの大人気参考書。
書店のフランス語学習コーナーでも、面だしで紹介されていることが多くあります。
- ページ数:197ページ
- 章(単元)数:31章
- 難易度:入門者〜仏検3級レベル
- 付属CDあり
このテキストの人気の秘密は、参考書とは思えないほどの筆者の言葉選び!
難しい文法用語は最低限にとどめており、ちょっとおどけた筆者が冗談交じりで文法を解説してくれます。
堅苦しさが全くなく、文法解説書なのにとっつきやすいというのが初学者に支持されている大きな理由です。
実際に使ってみた感想
よかった点①:とにかく読みやすい
説明文は文章というよりも、限りなく口語が使われていて、教室で授業を受けている気分にさえなるほどです。
この本は文法解説が中心で、練習問題は章の終わりに少しあるだけ。
作り方によっては、堅苦しく難しいとすぐに眠たくなりがちですが、そこを筆者の話術(文章力)で面白おかしく書いてくれています。
少し馴れ馴れしく感じる場面や、ときに人生論も登場したりしますが、それが勉強に対する緊張感をほぐしてくれたように思いました。
例えば、半過去の章の導入では
半過去は「半分だけ過去」ではありません。ましてや「半パな過去」でも、「半ズボンの過去」でも、半ラーメン&チャーハンの過去」でもありません。
「フラ語入門わかりやすいにもホドがある!」p.160より
ということが書かれています。
学生時代、たまにこういう先生いませんでしたか?
「わかっとるわ!」とツッコミたくなる分かりきった冗談が散りばめられていますが、独学で黙々とテキストを進めていると、こういったなんてことない言葉でも頭が休まり、笑えてくるから不思議です。
独学だとこういう冗談に救われたりするものです…笑
よかった点②:大事なポイントを掴みやすい
初学者でも読みやすくかかれた入門書ですが、大切なところは「ここは大切だからね!」とはっきり書いてあるので、ポイントを掴みやすいのも大きな魅力です。(本当にこういう口調です!)
一方で、ここはサラっと流していいよ〜ということも教えてくれるので、隅から隅まで基本を頭に叩き込むというよりは、自分のそのときのレベルに合わせて使えます。
過去の章で習ったことでも、新しい章で登場するたびにその該当ページを教えてくれるので、「これなんだっけ?」と思ったらすぐに確認することが出来ました。
大切なポイントを適宜復習をしながら進めていくと、理解度もぐんと早まりますよね。
よかった点③:文法辞書としても使える
一章に1つの文法を丁寧に解説してくれているので、読み終わったあとは文法辞書として、必要な章を辞書のように引いて読むという使い方をしています。
よかった点④:CDにはフラ語&日本語両方収録されている
テキストに付いているCDのほとんどは、フランス語の例文のみ収録ということが多いですが、このテキストは、掲載されているフランス語例文を日本語→フランス語の順で読んでくれます。
テキストが手元になくても、意味が理解できるので、移動中にリスニング対策として使うことが可能。
ただ、たまに聞いているこちらが恥ずかしくなるような例文が突如登場するため、家族の前でこれを聞くのは少し恥ずかしかったです…笑
よかった点⑤:幅広いレベルに対応している
本のタイトル通り、初学者が入門レベルの基礎を学ぶのに適したテキストですが、これ1冊で仏検3級の出題範囲まで網羅しています。
私も仏検3級を受験する際は、このテキストにとてもお世話になりました。
改善してほしい点:特にないが、1冊目よりは2冊目として
このテキストを使っていて、どうしても使いにくと感じたり、改善してほしいという点は特に見つかりませんでした。
ただ、フランス語の「フ」の字がわからないレベルでこのテキストを読むのは少し難しく感じるのでは…というのが初学者である私の正直な感想です。
私はこのテキストの前に「フランス語をひとつひとつわかりやすく。」を3周していたのですが、結果的に2冊目として取り組んで正解でした。
関連記事>>>初心者が最初に書いたい「フランス語をひとつひとつわかりやすく。」感想と使い方
というのも、「フラ語入門、分かりやすいにも〜」は決して難易度が高いわけではありませんが、一章ごとにインプットする内容(量)はそれなりにあるからです。
たしかにテキストの説明はとても丁寧ですし、理解できるように作られていますが、知識がまっさらな状態で読もうとすると、頭のキャパが少しオーバーしていたなとは思います。
説明の深さや出てくるポイントの量は
「フランス語をひとつひとつわかりやすく。」<「フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!」です。
私の場合は、1冊目の簡単なテキストで知識貯金を作り、2冊目の「フラ語入門〜」で、1冊目の+α部分に集中して取り組むことで、キャパオーバー問題を回避することができました。
また、メリット5でも述べた通り、幅広いレベルに対応しているからこそ、後半に進むとレベルも上がってきます。
そんな自分の経験も含め、入門書として使用するなら2冊目としておすすめです。
使い方と勉強スケジュール
私はこのテキストを3周まわしましたので、使用法とそれぞれのスケジュールをご紹介します。
テキストの使い方
参考書タイプのテキストは、書いて覚えるタイプか読んで覚えるタイプかで使い方が異なります。
私は書いて覚えるタイプのため、本に書いてある説明とフランス語例文は全て書き写しました(先生の冗談はのぞく)。
正直いって楽な勉強法ではありませんが、ノートやペンのインクを使い切ったときの達成感は気持ちのいいものですし、ブツブツと口に出しながら書くことで、「書いて、話して、見て、聞いて」覚えることが出来るので、どのテキストでもこの方法をとっています。
CDの使い方
1〜3週目全てにおいて使い方は同じ。
章が終わるごとにCDを聞き、それを口にするという方法です。
また、移動中などにもリスニング対策として利用することもありました。
ディクテーションなどはしていません。
1周目:10月2日〜12日(11日間)
日付 | 10/2 | 10/3 | 10/4 |
章 | 1~2 | 3 | 4~5 |
10/5 | 10/6 | 10/7 | 10/8 |
6~10 | 11~13 | 14~20 | 21~23 |
10/9 | 10/10 | 10/11 | 10/12 |
24~25 | 26 | 27~30 | 31 |
この表は上が勉強した日にち、下がその日に学習した章です。
最初のうちは説明文の多い参考書で勉強するのに慣れておらず、書くのが大変で進みが遅くなりました。
特に1周目はどのページも初めて触れるため、本に書いてあることはほとんど書きうつしていたため、ノートはこの1周だけで1冊以上使用。
4日目の10/5あたりくらいから、少しずつコツを掴んできて、一時ペースは早くなりましたが、24章を過ぎたあたりからは、テキストそのものの難易度が少しあがり、ペースがまた落ちます。
このテキストの前にやっていた「フランス語をひとつひとつ〜」では取り扱ってない範囲がちょうどこのあたりからで、知識貯金がなかったためです。
1周目が終わったときには、入門レベルから接続法まで一通りの基礎が頭に入ったわけですから、フランス語の全体像はぼんやりと見ることができました。
2周目:10月12日〜14日(3日間)
10/12 | 10/13 | 10/14 |
1~10 | 11~22 | 23~31 |
上が日にち、下が勉強した章です。
11月に控えた仏検の対策本に早く取り掛かりたくて、2周目はハイペースで進めました。
2周目も変わらず書いて覚える勉強法ですが、1度しっかり読み込んでいると、自分の中でサラッと取り扱うところ、もう1度インプットし直すところが分けられるので、メリハリつけて勉強が出来ました。
ただ2周目の段階で、3日で1冊を終わらせるのは結構しんどく、この期間は1日6~7時間は机に向かっていました。
3周目:11月7日〜10日(4日間)
11/7 | 11/8 | 11/9 | 11/10 |
1~8 | 9~12 | 13~22 | 23~31 |
上が日にち、下が学習した章です。
2周目が終わったあとに、仏検4級&3級対策テキストを挟んだため、2周目と3周目の間が空いています。
間に他のテキストを挟んだ理由は、飽きてしまったからです…笑
新しい何かに触れたくなったこと、仏検対策をしている安心感を得たかったことが全ての理由。
ただ、途中に違うテキストを挟んだことで、2周目までは少し理解が難しいと思っていた後半部分(半過去、条件法、接続法あたり)の説明が、明快になっていたので驚きました。
読むごとに理解が深まることもありますし、途中で違うテキストを挟んで再び取り組むことでモヤが取れたように理解できることもあるからです。
まさに今回私はこのテキストで、それを身をもって実感しました。
まとめ:こんな方におすすめ
このテキストはどんな人にも読みやすく、理解しやすい作りになっていますから、本音を言うと、全ての初学者におすすめです。
ただ、あえて特筆するのであれば
- 難しい説明のない、初学者向けの参考書を探している方
- 問題を解いて覚えるよりも、説明を読んで理解する方が得意な方
- 1冊で入門から仏検3級範囲まで勉強したい方
- フランス語が全くわからないというレベルではない方
には本当にぴったりのテキストだと言えます。
私はこのテキストの途中で違うものを挟みましたが、3周を終えて、ひとまず入門レベルは卒業できたかなという手応えを感じました。
大切な入門レベルの基礎は、この本でしっかりと押さえることが出来ますから、ぜひ上手に活用してみてくださいね。
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