中世の面影を色濃く残すプロヴァンでは、毎年6月に『プロヴァン中世祭り(Les Médiévales de Provins)』と呼ばれるお祭りが開催されます。
21世紀からフランス中世へタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれるこのお祭りは、2日間で10万人が来るという人気イベント。
2019年6月15、16日に開催されたお祭りに行ってきたのでレポートします!
- 『プロヴァン中世祭り』までのアクセス
- お祭りの様子
- 見逃せない会場内の観光スポット
目次
『プロヴァン中世祭り』までのアクセス
パリからプロヴァン中世祭り会場までのアクセスをご紹介します。
パリからプロヴァンまで
パリからは日帰りで行くことができるプロヴァン。
列車だと、パリ東駅(Gare de l’Est)からプロヴァン駅(Provins)までは約1時間半で、SNCFのP線、Provins行きに乗って終着駅で降ります。
列車の本数は1時間に1本程度と少ないため、予めグーグルマップなどで時刻を調べておくことをおすすめします。
運賃は大人一人11ユーロでした。(2019年6月現在)
『プロヴァン中世祭り』の会場までの行き方
会場までは、徒歩または無料シャトルバスで向かいます。
シャトルバスは、プロヴァン駅前(乗り場P7)から土曜日は10時~22時まで、日曜日は10時~19時まで20分間隔で運行されています。
徒歩の場合は、駅から歩いて約20分で会場に到着。今回私は歩いて向かったので、その行程をご紹介しますね。
プロヴァン駅を出ると、早速お祭りのガイドマップが配られていました。
とにかくお祭りをめがけてたくさんの人がやってきますので、人の流れにのって歩いて行くと間違いなく会場に到着します。
道の至るところにはきちんと案内板もありますので、迷子になる心配もありません。
おとぎ話に出て来そうな、まるで時が止まったような街並みが至るところで見られます。
移動中も景色を楽しめ、みなさん写真を撮りながら会場に向かっていました。
入場料
- 1日券:12ユーロ(12歳以下は無料)
- 2日券:16ユーロ
入り口手前にある受付カウンターで入場料を支払います。クレジットカード使用可。
『プロヴァン中世祭り』では、中世の仮装をしてくるとなんと入場料が半額に!!
仮装が好きな国民と言われているフランス人なだけあって、商人や職人、大道芸人、騎士、貴婦人などに扮してみなさん来場。
すれ違う人たちの衣装をみるだけでも、十分にこのお祭りを楽しめますよ。
2019年『プロヴァン中世祭り』の様子
10時半頃に会場に到着し、16時頃までイベントをたっぷりと堪能。
そんな当日の『プロヴァン中世祭り』の様子をリポします!
中世のフランスにやってきた
一歩会場内へ入ると、軒を連ねる建物、すれ違う人、もはや中世そのもの。タイムスリップしたかのような雰囲気に包まれています。
会場内を歩いていると、早速中世のダンスイベントに遭遇。生演奏に乗って、中世の庶民に扮した人たちが、軽快なグループダンスを見せてくれました。
いたるところでショーも行われているのですが、なんせフランス語がわからない…。でも雰囲気だけでも十分に楽しめます。
教会の前で開かれていた生演奏。
バイオリンの女性がとっても上手で、バイオリンから奏でられる絶妙な不協和音が、中世のヨーロッパのイメージそのもの。
当時もこんなふうに演奏していたのかなと想像力がかき立てられました。
軒を連ねるお店も、中世感満載です。
鎧が売っています。
斧や剣(もちろん偽物!)などの武器だって買えます。
木で作られた盾は特にお子さんに人気のようで、会場内でも持っている子を何人も見かけました。
中世といえば、魔女。魔女(に扮した女性)が売っている置物も素敵でした。
お土産にも可愛い魔女ピアス。
ユニークなお香たて、死神。(ちょっと怖いけど、なんか惹かれる・・・!)
そうそう、当時の乞食の格好をした人たちが道の角でマネキンのように立っていたり、ゆっくりと歩いて来たりするのですが、突然木の楽器のようなもので、「パチン!!」と音を鳴らされます。
トイレを我慢していた私はその音で、危うく緩んでしまうところでした…笑
実際に弓をひくことができるイベントも。
会場内では食事をすることもできます。
豪快な豚の丸焼きが会場のいたるところにあり、香ばしい匂いに何度も食欲を掻き立てられました。
ホットドックやソーセージも美味しそうだった!
地元で作られたパンも、陳列からヨーロッパ感が漂っています。
手作りマカロンも色鮮やか!
気になる価格ですが、地方都市ということもあり、パリに比べると良心的な価格です。
例えばクレープは2ユーロ、ビールは3ユーロ、ホットドックも5ユーロで食べられます。
これでもきっとお祭り価格なんでしょうが、パリの物価にヒィヒィいっていた私にとっては、「イベントなのにこの価格でいいの?」とむしろ拍子抜け。
この日は天気も良く、気温も20度を超えて、歩いていると暑くなってきたため、レストランでアイス(8ユーロ)を頂くことに。
私が選んだのは、イチゴやパッションフルーツのものですが、プロヴァンらしいバラのスイーツもいくつかありました。
当時使われていたミシン。世界名作劇場に出て来そう。
前髪がイカしてる牛。ツノが立派です。
よくみると、写真右にも牛に扮した方がいました。ある意味貴重なツーショット。
ものすごーく大きなモンスター(?)とも記念写真をぱしゃり。
彼は毎年この仮装で参加しているらしく、会場内でも常に写真を求められる人気ぶり。
ただ、この格好で歩くのは相当大変なのか、滝のような汗をかいており、写真を撮るときには、私の肩にかなり体重をかけてきました…笑
ここは見逃せない!上から望む景色も格別
『セザール塔』と『旧市街の城壁』はプロヴァンに来たのなら絶対に見逃せないスポット。
この2つはどちらも会場内にあるので、ゆっくり見て回ってみてください。景色が素晴らしい!
会場の中心部あたりにあるセザール塔には4.30ユーロで中に入れます。
このてっぺんから望むプロヴァンの街並みは本当に美しく、中世から変わらない景色が広がっています。
ちなみに塔のふもとではプロヴァンの名産品であるバラの花が売られていました。
塔とバラがコラボレーションされた景色も素敵。
会場を端まで歩いて行くと、旧市街の城壁も見ることができます。
13世紀に作られたこの城壁は当時は5kmありましたが、現在残っているのは1.2km。
会場出入り口の一つにもなっているジュイ門の上は登ることができ、そこから眺めるイベントの様子もまた格別でした!
中世の家が並び、その街を歩く中世の格好をした人々。ここが中世であると錯覚してしまうかのような風景です。
大人も子どもも仮装を楽しむ!
仮装をしてくると入場料が半額になるこのイベント。
会場内では、まるで映画やドラマの登場人物のような人ばかりとすれ違います!
華やかなドレス姿の人たち。
ドラマのロケだと言われても納得してしまう完成度。
勇ましくかっこいい!!
ナイトや当時の庶民の服装など、衣装はそれぞれお好みで楽しんでいるようでした。
会場内には、フェイスペイントをしてくれるブースもあり、お子さんからマダムまで美しく華やかに大変身。
ブースやペイントの大きさによって価格は違いますが、2ユーロ〜10ユーロほどです。
仮装をしてくればよかった…という人には顔出しパネルがおすすめ!
会場内では仮装衣装も売っているので、来年に向けて買ってみるのもいいかもしれません。
ただ庶民衣装でも、例えばトップスが50ユーロ、スカートが70ユーロ、それに装飾…となるとそれなりの価格にはなります。
衣服はちょっと手が出せないという人は髪飾りだけでも気分が味わえそうですよ。
まとめ:パリから90分でタイムスリップ
毎年6月に開催される『プロヴァン中世祭り』。
街全体がまるで中世にタイムスリップしたかのようなその雰囲気は、他でもなくこのプロヴァンでしか味わえない特別なものです。
また、フランスはパリしか知らなかった私にとっては、新たなフランスの一面に触れることができた街(イベント)でもありました。
パリからも列車で90分と日帰りで行くことができますから、パリとはまた違ったフランスを楽しみたい方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
プロヴァンの見どころ、お土産については、「中世の街『プロヴァン(Provins)』の行き方・見どころ・お土産完全ガイド」で詳しく解説しています。