「書きたいことはあるのに、どう文章にしていいかわからない。」
「頭の中に浮かんでることが、うまく文章にまとまらない。」
「一生懸命書いてるのに、なかなか伝わらない。」
ブログを書いていると誰もが一度は経験する「書けない」の壁。
私自身もブログを始めて1年半。書きたいことはあるのに、いざ文章にしようとするとどうもまとまらない…と悩んでいました。
そこで一から文章力を見直そうと手にとったのがこちらの本。
「文章力はセンス」という考え方が読了後に払拭されました。
- 書く前に準備をする
- 読んでもらうためのテクニックを習得する
- 書き終えたあとは読み返して直す
きちんと基礎を学べば、誰でも読みやすく、人に伝わる文章が書けるんです。その方法を5章にわたり丁寧に解説しているのがこの本でした。
読了後は、どのように書きたいことを整理して文章化すればいいのかが明快になり、書く力はテクニックで伸びるんだと気づきました。あわせて書くスピードが上がったのも嬉しい…!
文章はブログに限らず、どんな場面でも他者に何かを伝える大事なツール。今一度、ふと一度足を止めて学んでみてはいかがでしょうか。
文章力を伸ばしたいブロガーさんはぜひご参考ください。
目次
こんな人におすすめの本
文章がうまくまとまらない方
何をどう書けばいいのかわからない方
もっと速く文章を書きたい方
最後まで読まれる文章を書きたい方
「新しい文章力の教室」について
著者のプロフィール
著者は毎月3,000本以上もの記事を配信し続けるニュースサイト「ナタリー」で新人教育を担当する唐木元(からきげん)さん。株式会社ナターシャ取締役。
大学在学中からライターとして活躍し、卒業後は雑誌を中心に執筆・編集活動をしていました。2004年からは編集者としてライブドア・パブリッシング、幻冬社、ジーノ編集部と3つの出版社で勤務。
現在は、音楽やコミック、お笑いといったポップカルチャーの情報が充実している「ナタリー」を運営し、「コミックナタリー」の編集長を務めています。
本の概要
文章を書くこと、書き方を教えることに長けている著者が、「書ける人」が自然に身につけている基本を、誰でも実践できる方法で教えてくれている一冊。
- 文章を書く前にどんな準備をすればスムーズに書き進められるか
- スマートな文章を書くために気をつける点はなにか
- 書いた文章を読み返す際にどこを注意すればいいか
- 最後まで読んでもらえる内容にするためにどう工夫すればいいか
が、5章77項目の中で丁寧に解説されています。
書きたいことの整理方法、文章の組み立て方、正しく読みやすい日本語の表現方法をこの一冊で学ぶことができました。
目次(一部)
→書く前の準備で文章が決まる
→「完読」を目指して文章を磨いていく
→読者の負担を取り除いてもっと伝わる文章にする
→読者に伝わる丁寧な文章にしていく
→文章を伝える工夫は仕事の基本にも通じる
「新しい文章力の教室」のポイント3つ

ここでは私が「新しい文章力の教室」を読み、ブログを書く上でとても参考になったポイント3つをご紹介します。
ポイント①:「構造シート」で整理し、良い文章を速く書く
書き始める前に大切なことは「テーマ」を決めること。そしてそのテーマのために、「何を」「どれから」「どれくらい」文章として相手に伝えるかを決める。
これがロジカルな文章を書くために間違いのない方法と著者は紹介しています。
「地図で行き先と経路を確認してから出かける」ということ。道に迷わないため、作文でも出発前にやりましょう。
出典:「新しい文章力の教室」p.21
そしてそれらの書きたいパーツを揃え、「構造シート」で整理して初めて書く準備が整います。
この本の中に出てくる「構造シート」の書き方を身につけることで、読み手も書き手も迷子にならない「伝わる文章」が速く書けるようになるのが、本書の「書けるメソット」の大きな特徴の1つ。
正直、構造シートは慣れるまではさらさらと書けない印象を私は抱きました。著者自身も、書き始めは構造シートの作成に30分くらいを要すると書いています。ただ、慣れればどんどん速くなり、数分で出来るようになるんだとか。
記事を書くのに15分で済むときもあれば、5時間かかるときもある。こうした時間のムラを作るよりも、いつも30分で仕上がる方法を身につけるのが、毎日安定して文章を書く秘訣と紹介されています。
それを叶えるスキルが「構造シート」なんです。
ポイント②:日本語の書き方を改めて学ぶ
普段当たり前のように口にしている日本語ですが、話し言葉と書き言葉ではそのルールや表現も大きく変わります。
例えば、話し言葉なら「〜で、それで〜で、で〜なんだよね!」と、一つの文章を区切りなく続けても違和感なくコミュニケーションが成立します。
しかしこれが書き言葉になると、とてつもなく読みにくい。何がいいたいのか、何が大切なのかがさっぱりわからなくなります。
ひとつの文章に乗せる情報量をコントロールできるようになりましょう。一文で朗々と語りついでいくスタイルは美文調ともいわれ、雄弁なイメージを持たれがち。しかし読み手にとっては文意を追う負担が増える一方であり、実用的な文章には不向きといえます。
出典:「新しい文章力の教室」p.76
昭和の文豪・三島由紀夫は、一文が長い小説家の代表的存在で、一文が五行以上ということもザラにあります。ただこれは、小説であることや彼にそれだけ読ませる力があるからであり、実用的な文章を書く上では、なるべく避けたいポイントです。
では一文一文をわかりやすく分解するにはどのようなスキルが必要なのか。これが本書の第2章と第3章で解説されています。
- 接続詞の使い方
- 「が」や「で」で文章をだらだらと繋げない方法
- 文節レベルの重複の解消方法
- 文末のバリエーション
- 漢字とかなのバランス
- 修飾語句の順番
- 係り受けの距離
- 主語の「は」と「が」の使いわけ
など、ここに挙げたのはほんの一例。
英語を勉強する際はしっかり文法を学びますが、日本語の書き方を意識して学ぶことって意外とこれまで多くはありませんでした。
正しい日本語表現を使うことで、読み手にもいいリズム感やスピード感を与え、最後まで読んでもらえることに繋がります。
ポイント③:主観の表現の仕方
「私だから発信できること」をできればブログには書きたいものです。例えば体験談や、この記事のような感想やレビューを書くことなどもそれに当たります。
感動を伝えたいときには「感動した〜!感激した〜!」と、つい感情を書きたくなりますが、そういった類の言葉は出来るだけ避けたほうがいいと本書では説明されています。
主観的で熱量の高い言葉を使うのも控えましょう。書き手が盛り上がれば盛り上がるほど、読者を白けさせてしまうものです。
出典:「新しい文章力の教室」p.174
自分の感動を過度に表現するよりも、読者が感動を読み取れるように書くことが大切。
言われてみれば、読みやすいブログや雑誌は「すごかった!」「楽しかった!」という書き手の感想より、具体的な説明を読み、読み手である私も初めて一緒に感動を共有することが多いことに気づきました。
主観的意見はもちろん大事ですが、それを事実で補強していくような順番が望ましいでしょう。
出典:「新しい文章力の教室」p.191
ブロガーとして大切な「主観性」を尊重しながら、読み手を納得させる表現方法が第5章では丁寧に解説されています。
特に、主観を交えすぎてくどくさせない方法や、読者と距離を縮める方法、具体性が増す表現方法、タイトルの付け方は今後ブログを書く上でも大変参考になりました。
「新しい文章力の教室」のまとめ

これまでは書きたいことを書きたいようにパソコンに打ち込んできました。本書を通して書き方のルールを学び、いかに読み手への配慮が足りていなかったかを痛感…!
日本語表現に自分らしさを、と考えていた時期もありましたが、まともに絵もかけないのにピカソを真似て書くようなことをしていたのです。
この本を読んですぐに文章力が上がるかといわれたら、答えはノーです。なぜなら文章力はスポーツと同じで、ただルールを学ぶだけでは上達しないから。
ルールを知り、書いて、書いて、書いて、はじめて身につくのです。そういう意味では、私はようやく文章を書くスタート地点にたったので、これから少しずつ表現力や構造を実践しながら磨いていきたいと思っています。
文章力を磨くことは、ブログが読みやすくなるだけでなく、物事をロジックに考える力も一緒に伸ばしてくれるので、実生活でもおおいに役立つのではないでしょうか。